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春一番が放送禁止に?
♪雪が溶けて川になって 流れて行きます……(^^♪ (^^♪
という軽快なリズムで始まる、キャンディーズの代表曲「春一番」が、約3年間も通信カラオケで歌えなかったことを知ってましたか?
少しややっこしいけど、ちょっと首を突っ込んでみました。
経過だけ簡記すれば、作詞・作曲を手掛けた穂口雄右氏が、2012年3月に日本音楽著作権協会(JASRAC)を退会して著作権を自己管理してしまった。
これを受け、通信カラオケ大手の第一興商と「JOYSOUND」「UGA」を運営するエクシングが、同年6月に配信を停止した。
したがって、カラオケの楽曲リストから消えてしまったという流れなのです。
何だか分かったような、分からないようなですね。
カラオケ業界関係者は「大半の楽曲の著作権管理はJASRACに委託されています。
「カラオケ会社が個人と契約するケースは極めてマレで、穂口氏とも契約を結んでいなかった」と言っているらしいのですが、もっと根深い問題があったようです。
穂口雄右氏は、JASRACを退会した理由の1つは、「著作権と著作隣接権の違いを国民の皆さまにお伝えしたかったから」、もう1つは「放送局および広告代理店系列の音楽出版社が著作権および著作隣接権(原盤権)を掌握しているという構図に対して、賛同しかねる意思があったからだ」ということです。」
何となくわかってきたような気がしました。
音楽業界の根深い問題点とは
私たちにとってはなじみのないことばかりですが、停滞しつつある音楽界を見直す必要があるという事もあったようです。
音楽業界は、この半世紀に至るまで放送局と一蓮托生の関係にあったようで、CD不況のみならず、音楽配信の売り上げも低迷するなか、音楽業界にとって命綱ともいうべき存在であった放送局の大衆への影響力が低下したことがさらに窮地へと追いやっていた。
それにもかかわらず事態がここに至ってもなお、音楽業界は、自らを省みる行動には出なかった。
驚き 音楽業界の旧態依然の対応
それどころか、キャンディーズのスーちゃん(田中好子)が亡くなった後、YouTubeの動画に彼女を偲ぶコメントが多く寄せられていた。
ソニー・ミュージックエンタテインメントの代理人である日本レコード協会は、
ソニー・ミュージックエンタテインメントが保有する著作隣接権(原盤権)を根拠に全て削除した。
穂口雄右氏はこれらの行為を、YouTubeが提供する「収益化」という機能を利用すれば「著作隣接権者として収益を得ながら、ファンの皆様のために動画を掲載し続ける選択肢もあった」にもかかわらず、
「ファンの皆様のコメントもろとも削除するという血も涙もない行動を、たかだか自分達の金銭的利益のために行った」として、「レコード協会の行動は著作権法の立法の精神を踏みにじる暴挙」と批判したそうです。
キャンディーズファンの私としては、スーちゃんが亡くなった影響がこのようなところにも絡んでいたことにびっくりしました。
なお、「春一番」のカラオケ配信は、「当初の目的を達成した」として穂口雄右氏が2015年初めに著作権を米BMI経由で日本音楽著作権協会の管理に戻したことにより再開しています。
平たく言えば、ファンあっての業界あることは間違いないので変化するところは変化していただいて、WIN.WINの関係を作っていただきたいと思うしだいです。
穂口 雄右氏 プロフィール
生誕 1948年1月24日(68歳)
出身地 東京都
学歴 日本大学藝術学部中退
ジャンル ポップス、ロック、R&B、ジャズ
職業 作曲家、編曲家、作詞家
担当楽器 キーボード
<参考>ネコにもわかる知的財産権より引用
著作権は、著作物を創作した著作者に与えられる知的財産権です。しかし、著作物の中には著作者だけでは人々に伝達できない性質を持ったものも存在しています。そういった性質の著作物を広める役割を果たす人たちは、何の権利も無くただ淡々と著作物の伝達を行うだけなのでしょうか? そういった人たちを守るためにあるのが著作隣接権なのです。
著作隣接権は、著作物の伝達に努める立場にある人たちの権利を保護する為の知的財産権です。著作隣接権は限定的にではありますが著作者に与えられる著作権とほぼ同じ、「著作物を伝達する上で必要になる権利」を伝達する立場の人に与えています。